外国人雇用の注意点【2026年最新】届出義務・在留カード確認・罰則を社労士が解説

さらに2026年6月14日から「特定在留カード(在留カード+マイナンバー一体型)」の運用が始まり、確認手順の見直しが急務です。

目次

今、なぜ外国人雇用のリスクが高まっているのか

「うちは小さな会社だし、大丈夫だろう……」——外国人雇用のご相談でよく耳にする言葉です。しかし法律違反の摘発は規模を問わず起きており、「知らなかった」では済まない現実があります。

⚠️ 2025〜2026年の最新動向

  • 技能実習・特定技能事業場の7割以上で労基法関連違反が指摘(厚労省調査)
  • 不法就労助長罪の罰則が2025年6月に大幅引き上げ(最大5年懲役・500万円罰金)
  • 2026年6月14日から「特定在留カード」運用開始(確認書類の様式が変わる)

事業主に課される2つの法的義務

義務①:雇入れ・離職時のハローワーク届出

外国人を雇用・離職させた際は、労働施策総合推進法第28条第1項に基づき、氏名・在留資格・在留期間・在留カード番号などをハローワークへ届け出なければなりません。

📋 届出の手続き早見表

【雇入れ時】

  • 雇用保険の被保険者となる場合 → 様式第2号(17〜23欄)/翌月10日まで
  • 被保険者とならない場合 → 様式第3号(外国人雇用状況届出書)/翌月10日まで

【離職時】

  • 雇用保険の被保険者だった場合 → 様式第4号/退職翌日から10日以内
  • 被保険者でなかった場合 → 様式第3号/翌月10日まで

※ e-Gov電子申請でも手続き可能です。(根拠:厚生労働省「外国人雇用はルールを守って適正に」令和8年6月版)

⚠️ 届出漏れ・虚偽届出の罰則

外国人を雇用する事業主には、外国人労働者(特別永住者、在留資格「外交」・「公用」の者を除く)の雇入れ
及び離職の際に、外国人雇用状況届をハローワークへ届け出ることが、法律により、義務付けられています。
届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合には、30万円以下の罰金の対象になります。

留カード確認

雇い入れる前に在留カード(または特定在留カード)を確認し、①就労可能な在留資格か、②在留期間が有効か、を必ず確認しなければなりません。

☑ 在留カードで確認すべき6項目

  1. 在留資格の種類
  2. 在留期間(満了日)
  3. 就労制限の有無欄(「就労制限なし」or「在留資格に基づく就労活動のみ可」)
  4. 資格外活動許可の有無と内容(留学・家族滞在の場合は週28時間以内の制限あり)
  5. 在留カード番号 + 読取アプリでICチップ確認(偽変造チェック)
  6. 失効情報照会(出入国在留管理庁サイト)

⚠️「知らなかった」では通じない

在留カードの確認を怠った場合、過失があるとみなされ不法就労助長罪(入管法第73条の2)が成立します(警視庁「外国人の適正雇用について」)。確認した記録を必ず残してください。

2026年6月14日〜:特定在留カードへの対応

在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の運用が2026年6月14日から始まりました。取得は任意ですが、この新様式を持つ外国人が今後増えていきます。

🪪 新様式カードの対応ポイント

  • 通常の在留カードと特定在留カードでは、券面の記載レイアウトが異なる
  • 確認項目の位置が変わるため、従来の感覚では確認漏れが起きるリスクあり
  • 厚労省パンフレット(令和8年6月版)に新旧両様式の見本あり → 事業所内への掲示を推奨
  • 法務省「在留カード等読取アプリ」は新旧どちらにも対応済み

罰則一覧:経営者が直面するリスクの全体像

違反類型根拠法令罰則
届出未提出・虚偽届出労働施策総合推進法第48条1項2号・同第28条1項30万円以下の罰金
不法就労助長(過失含む)入管法第73条の23年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
不法就労助長(業として)★2025年6月厳罰化入管法第73条の2(改正後)5年以下の懲役または500万円以下の罰金(併科あり)

2025年6月の入管法改正で、業として不法就労させた場合の罰則は最大「5年以下の懲役+500万円以下の罰金」に引き上げられました。法人と経営者個人の両方に罰則が適用されます。

よくある疑問:現場の不安を解消

アルバイトや短時間勤務でも届出は必要?

必要です。雇用形態(正社員・パート・アルバイト・日雇い)を問わず届出義務があります(労働施策総合推進法第28条第1項)。

ただし以下の方は対象外です。

  • 特別永住者(在日韓国・朝鮮人等)
  • 在留資格「外交」・「公用」の方
在留期限が近い外国人を採用してもよい?

在留期間内であれば採用自体は問題ありません。ただし継続雇用する場合は、本人の更新完了を必ず確認してください。更新不許可のまま就労を続けると不法就労になります。

→ 実務対応:採用時に在留期間満了日をカレンダーに登録し、2〜3ヶ月前にアラートを設定する。

新旧カードが混在するとき、どう対応すればよい?

法務省の「在留カード等読取アプリ」は新旧どちらにも対応しています。ただし券面の記載位置が異なるため、新旧両対応のチェックリストを用意することを推奨します。

社労士の目線:やってはいけない4つの落とし穴

❌ 落とし穴①:在留カードのコピーだけで「確認完了」と思い込む

コピーは静的な記録に過ぎません。ICチップの偽変造チェック・失効照会もセットで行い、記録を残すことが事業主を守る最大の防衛策です。

❌ 落とし穴②:資格外活動許可の時間制限を見落とす

留学・家族滞在の方は週28時間以内の制限があります(在留カード裏面「資格外活動許可欄」に記載)。シフト管理でも週単位の労働時間を把握してください。

❌ 落とし穴③:届出を担当者任せにして期限を超過する

届出期限は「翌月10日」「離職翌日から10日以内」と短期間。e-Gov電子申請で自動記録する体制を整え、担当者が変わっても漏れない仕組みを作ってください。

❌ 落とし穴④:在留資格と業務内容が合っていない

「技術・人文知識・国際業務(技人国)」の方に現場の単純作業のみをさせると、在留資格の範囲を逸脱するリスクがあります。2026年4月から技人国の審査が厳格化され、労働時間管理台帳の提出義務化・立入調査の強化が進んでいます。

明日から即実践!法的リスク回避のアクションリスト

✅ 今すぐ取り組む4つのアクション

  1. 在留カード確認チェックリストを整備する
    新旧両様式に対応した6項目チェックリストを作成し、採用担当者に配布・掲示
  2. 届出期限をカレンダー管理する
    雇用・離職のたびに期限を登録。e-Gov電子申請で提出記録を自動保存
  3. 外国人雇用管理台帳を整備する
    在留カードコピー・届出控えを個人別に管理。在留期間満了日のアラート設定も忘れずに
  4. 年1回、社内研修を実施する
    各都道府県ハローワークの「外国人雇用管理アドバイザー」制度(無料)を活用可

まとめ

外国人雇用に関する法的義務は「届出」と「在留カード確認」の2本柱です。2025年6月の罰則引き上げ、2026年6月の特定在留カード導入と、制度は急速に変化しています。「なんとなく大丈夫だろう」という感覚が、思わぬ法的リスクの入口になります。

まずは確認チェックリストと届出の期限管理から、今日始めてみてください。

参考リンク:外国人労働者の雇用管理改善等に係る自主点検表(事業主用)

外国人雇用はルールを守って適正に(厚生労働省)

在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ(出入国在留管理庁)

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスを構成するものではありません。実際の外国人雇用に際しては、管轄の労働局・ハローワーク、または社会保険労務士・行政書士・弁護士等の専門家へご確認ください。法令・通達は改正されることがあります。最新情報は厚生労働省・出入国在留管理庁の公式ウェブサイトをご参照ください。

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